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無です

呪いと絶望

映画を観に出掛けた。終始泣いてしまいそうだった。なんだか泣きたくなくて堪え続けた。映画の内容以前に人の作ったものに全身で触れられる機会がとても少なくなっているから、そのこと自体に感動していた。(映画の感想は別にあるけど、感想を書くのはちょっと苦手なので、いまは書けない)

出掛けるまではしんどくて、また寝続けていたのだけど、既に購入済みのチケットを無駄にしたくないし、映画だって観たい気持ちがちゃんとあるし、今いかなかったらもうこの先の予定全部無理かもなと思って勢いで家を出た。

わたしの家には呪いがかかってる。わたしがいるからだ。わたしがかけた呪いだ。

新宿で映画を観たあと、かなり感情が回復していたから、阿佐ヶ谷まで足を伸ばし、ひさしぶりにgionに行った。ナポリタンを食べて、クリームソーダを飲んだ。

家から外に出ると帰れなくなる。もうずっと、どこに家があっても、帰る場所なんてなかった。今も帰ってる途中だけど、いつも通り、コンビニに長時間滞在したうえに何軒かはしごして、行く宛てがなくなりやっと観念してだらだらと歩きながらゆっくりと家に向かうんだろう。

家に帰ったら終わりだ。あそこには絶望しかないのだから。玄関を潜れば外での出来事が夢みたいに溶けてたちまち記憶の底に沈んでしまう。

病院があってよかった。病院にだけほんの小さな居場所があって、そこでならわたしはわたしを守ってあげられる。身体を放って安心して眠らせてあげられる。絶望と向き合って限界が来る度に避難しているけれど、いつかわたしの部屋が病室になるといい。

おやすみなさい。おやすみなさい。

ひさしぶりのお出掛けはたのしかったかわからないけど、心がちゃんと動いてくれて嬉しかったです。