3103s3013

無です

さようなら

・年末、半年前に手術した膝を負傷した。ベッドで寝返りうっただけなのに。診察だけだと原因がわからないので、今日の昼下がりMRIを撮った。ひんやりとした真っ白な部屋で"患者"という物体のように寝かされて、冷えていく体は死体みたい。

 

・入院生活残り一日。見事になにもしない1ヶ月をやりきった。生活をやらなきゃいけない、明日から。生活なんかより、よっぽど生きた心地のした、この部屋を出て。誰にもわたしを殺させてはならない。

 

・話したいことがいくらでもあるのに、湧いては途切れて、どこかに戻って、その繰り返し。無数の思考が言葉にならずに宙を巡っている。先生、わたしは、わたしは。

 

・正当化しなきゃ保てない自己なんていらない。正しさが欲しいんじゃない。ただ息をしたい、生きていたい。わたしがどんなかたちでも、わたしでいれればそれでよかった。いつか意識を失って、無に帰すときまで、その時まで、わたしはずっとここに在る。その真実が揺らぐとき、わたしはすでに死んでいる。そして自ら死ぬだろう。

さようならも言わずにね。